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永石 隆二; 伊藤 辰也; 桑野 涼*; 神戸 正雄*; 吉田 陽一*
no journal, ,
福島第一原子力発電所(1F)事故で緊急の冷却水として海水を使ったことで、純水の場合とは異なる水素発生や腐食性物質の生成が起こるため、事故後、海水の放射線分解に関する知見が重要となった。実験的な研究では、これまで、海水の代わりに模擬海水やハロゲン化物を含んだ水溶液を用いて、個々の事象や現象の解明やデータ取得が進められてきたが、海水の放射線分解が全体的に再現されているかどうかは定量的に明らかにされてこなかった。そこで、本研究では、海水の放射線分解の一連のプロセスである、放射線分解の初期過程から最終生成物の生成・反応過程までの再現性を明らかにするため、パルスラジオリシスを用いてラジカル生成物の過渡吸収を観測し、最終生成物分析によって分子生成物の水素及び過酸化水素を測定した。ここで、これらの放射線分解の実験結果をもとに、模擬海水またはハロゲン化物を含んだ水溶液を(天然)海水と比較した。